当店は、昭和6年より築地で開店以来、のれん、提灯、半纏、彫刻看板、手拭等など、魚がしの文化と深くつながって、今日まで80年余り商いをしてまいりました。当時は製品を作るには必ず下絵が必要でした。当然、手描きで書いておりました。今はフォントがあり、誰でも簡単にレイアウトができるようになりましたが、肉筆の味は今でも変わらないと確信しております。
当店では今も下絵を描いて製品を作っております。築地が豊洲へ移転するというこの時期に、江戸期からの魚河岸文化の一端としての「江戸文字」をみなさんにも味わっていただきたく、この度、「江戸文字を体験しよう!」をはじめます。
江戸文字の歴史、用途、他の文字との違いを知って頂き、御自分でも書いてその提灯やポチ袋をお持ち帰りいただくプログラムです。当面、水曜と土曜を中心に行いますので下記詳細をご覧ください。
2024年6月より、新料金になります。よろしくお願い致します。
新料金: 3,500円(税込)/お一人様
2024年12月~2025年1月中旬迄、繁忙期につき「江戸文字を体験しよう」講習会は、お休みとさせていただきます。何卒ご理解いただけますようお願い申しげます。
2025年1月度「江戸文字を体験しよう」講習会は、1月18日(土)より開催いたします。
開催スケジュール (土曜に実施)
- 午前10時30分~12時00分 (第1回)
- 午後01時00分~02時30分 (第2回)
- 午後03時00分~04時30分 (第3回)
内容
江戸文字をポチ袋に原稿を書いて頂きます。
後日こちらから郵送するプログラムです。
費用
ポチ袋: 3,500円(税込)2024年6月より
講習およびポチ袋4枚、他に必要な物はすべて価格に含まれます。
場所
当店店頭(各回1名さまから6名さま迄)
お問い合せ
有限会社 津多屋商店 TEL:03-3541-3741 FAX:03-3541-8511
築地にお出掛けの際には、お時間を作っていただき、是非トライしてみてはいかがでしょうか
伝統を守る仕事について
伝統とは古い物を昔から同じように、ただ伝えるだけの物ではありません。その時代に合ったように変化しながら今日まで続いて、それがまた将来に続いて行くものもあるでしょう。もう無くなってしまった仕事もあるかも知れません。しかし、「伝統の技」といわれる仕事や製品は、お客さんが買ってくれたり、使ってくれたりしなければ伝わりません。また、道具や材料や部品を作ってくれる人もいなければ困ります。それには、作る人が勉強するのは当たり前ですが、色々な物を見たり、他の職人さんと話をしたり。
一番大事なのは、お客さんの希望の物を、その期待以上に作りあげ、喜んでもらえることがとても大切です。
今は産まれたばかりの新しい仕事でも100~200年後は伝統的といわれる物も出てくるでしょう。みなさんも仕事を選ぶとき、古くからの技術を将来につないで行くもよし、また最新技術を作りだすのもとても魅力的だと思います。また、昔の技術と今の最新技術を組み合わせてさらに新しい仕事を作り出すのもおもしろいですね。大事なのは自分が選んだ仕事を好きになって続けて行くことだと思います。
江戸文字と呼ばれる文字について
江戸時代の中の元禄時代(1688~1704)五大将軍、徳川綱吉の頃から世の中が落ち着き、庶民が娯楽を楽しめるようになると、色々な種類の芸能が生まれました。歌舞伎、浄瑠璃、相撲などお芝居や見世物小屋などにお客さんをたくさん呼ぼうと宣伝を始めました。
その芝居小屋などがお客さんで一杯になるように縁起をかついで、なるべく白い部分を少なく、黒い部分を太く勢いのある文字で書くようになりました。今ではそれぞれの文字に名前がつくほど江戸期に生まれた文字は現代に伝わっています。
歌舞伎 : 勘亭流(かんていりゅう)
浄瑠璃 : 浄瑠璃文字(じょうるりもじ)
相撲 : 相撲文字(すもうもじ)
寄席(落語など) : ビラ字(故、橘右近さんが橘流寄席文字として伝えている)
ビラとは今でいうポスターの事。
お祭、提灯屋、染物屋: 籠字(かごじ)、力文字 ※これが今では一般に言う江戸文字
上に書いたものはほとんどが江戸時代に生まれ、現代に伝わっているデザイン文字で、これを総称して“江戸文字”とも言います。これらの文字のルーツは徳川幕府の公文書に使われた「御家流(おいえりゅう)」からともいわれています。